木質小片断熱材「サーモカール」

断熱材「サーモカール」紹介ムービーはコチラ ヤマウチの「サーモカール」(特許第3607254号)は、人と環境にやさしい木質小片断熱材です。
木材の製材プロセスで発生する木屑(木材小片)を再資源化し、接着剤や薬剤を一切使わずにパネル状に成型。
グラスウール等、他の断熱材と比較して、高い蓄熱効果があり、保温性・遮音性・吸音性に優れた
新しい住宅用断熱材として注目を集めています。

※右の画像クリックで紹介ムービーをご覧いただけます。

断熱材の新しいカタチ

 現在、一般に多用される住宅用断熱材はグラスウールなどの 鉱物系とウレタンフォームなどの石油系断熱材です。 弊社は資源循環型社会に欠かせないゼロ・エミッションを目指し、 木材プレカット廃材を再資源化した木質小片断熱材「サーモカール」を開発しました。 主な原料はプレーナー屑。 特許製法により接着剤を使わないため、 自然素材の持つ安心感をエンドユーザに与えます。

 開発には岩手大学の関野登教授 との共同研究により5年間の歳月をかけて、 最適な製造条件と性能の実証試験を行なってきました。

断熱材開発の背景

 環境問題に対する関心の高まりや産業廃棄物の法規制強化により、 木材産業における残廃材の再資源化技術は一段と重要性を増しています。そこで、木材加工工場で発生する木質残廃材を原料として建築用断熱材に着手しました。

サーモカールの特徴

木質小片断熱材はバインダレス成形、簡略化施工、リサイクル設計といった特徴があります。

《サーモカールの4大メリット》

  • 木質残廃材の再資源化商品:企業のゼロ・エミッションに貢献
  • 接着剤を用いない新たな製法:消費者への安心感
  • 金物不要の簡易施工、分解解体にも貢献
  • 木質特有の蓄熱効果による保温性の発揮
〈バインダレス成形〉
 木質小片を断熱材幅方向に堆積し、適度に常温圧縮することで小片間に摩擦力を付与します。 その際、マット表裏面に配置する形状安定板により平面を確保し、 フィルム等による周囲被覆でマット圧縮状態が保持され、 接着剤無添加でパネル形状を維持することができます。 熱圧不要のため、従来の木質系断熱ボードに比べて省エネルギーで製造できます。
〈簡略化施工〉
 本断熱材は幅方向がスプリングのように振舞うため、 手で僅かに幅を縮めて、間柱や根太の間にはめ込むことで簡単に施工できます。
すなわち、固定するための金具等を必要としません。
〈リサイクル設計〉
 施工時と同様に、解体時には容易な取り外しが可能で、手解体の作業性が向上します。 また、断熱材内部の小片は接着剤等を含まないため、 再資源化の自由度が高いなど、リサイクルを考慮した設計です。

製造手順

小片堆積→常温圧縮→型枠除去→仮止め・周囲被覆→完成

  1. 1)小片堆積:木質小片を断熱材幅方向に堆積。
  2. 2)常温圧縮:適度に常温圧縮することで小片間に摩擦力を付与。
  3. 3)型枠除去:前工程までで平面を確保するためにマット表裏面に配置していた形状安定板を除去。
  4. 4)仮止め・周囲被覆:フィルム等による周囲被覆でマット圧縮状態を保持。
  5. 5)完成:接着剤無添加でパネル形状を維持。

利用可能な原料

木質小片断熱材に利用可能な原料 カンナ屑(プレカット工場)

カンナ屑
(プレカット工場)

木質小片断熱材に利用可能な原料 カンナ屑(家具工場)

カンナ屑
(家具工場)

木質小片断熱材に利用可能な原料 樹皮

樹皮

木質小片断熱材に利用可能な原料 破砕片(フレーク)

破砕片
(フレーク)

木質小片断熱材に利用可能な原料 切削片(フレーク)

切削片
(フレーク)

木質小片断熱材に利用可能な原料 切削片(木毛)

切削片
(木毛)

断熱性と耐衝撃性は原料の種類に依存する。
(カンナ屑の場合、断熱材密度100kg/m3程度が最適製造条件)

木質小片断熱材と石油系・無機系断熱材との比較

現在、多く利用されている建築用断熱材 硬質ウレタンフォーム

硬質ウレタンフォーム

現在、多く利用されている建築用断熱材 フェノールフォーム

フェノールフォーム

現在、多く利用されている建築用断熱材 押出法ポリスチレンフォーム

押出法ポリスチレンフォーム

現在、多く利用されている建築用断熱材 グラスウール

グラスウール

現在、多く利用されている建築用断熱材4種類です。
そのうち、グラスウールとフェノールフォームとの性能比較を行いました。

他断熱材との性能比較
断熱材名 密度(kg/m3 熱伝導率(W/mK) 比熱(J/gK) 熱拡散率(mm2/s)
木質小片断熱材 100 0.056 〜 0.061 1.16 0.35 〜 0.54
グラスウール 32 0.034 〜 0.037 0.84 1.04 〜 1.12
フェノールフォーム 20 0.02 1.34 0.51 〜 0.63

蓄熱効果による保温性の検証

実験ハウスに同じ熱抵抗で、木質小片断熱材とグラスウールを施工し、 深夜0時に暖房を切り、翌朝6時の室温を比較しました。
結果、木質小片断熱材の方が約3℃室温が高くなりました。

木質小片断熱材を施工

木質小片断熱材を施工

グラスウールを施工

グラスウールを施工

木質小片断熱材の方がグラスウールよりも約3℃室温が高くなった。

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